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管理人のたわごと時々社員Official Blog


new2025/04/23

たかが言葉。されど言葉


たかが言葉。されど言葉

目からうろこの番組。クローズアップ現代の“ヤバい・エぐい”の危険性とは?感情リテラシー教育で校内暴力が激減を見ました。しつこいようですがNHKの回し者ではないです。

■やばいはやばいよ(笑)

最近、闇バイトや特殊詐欺という言葉をよく聞きます。そこに手を染める若者たちに共通する特徴として、極端に語彙力が無い、という専門家からの指摘、調査結果があります。例えば「やばい」という言葉。非常に広範囲に使われるようになってます。

喜んでいるときの「やばい」、悲しいときも「やばい」、くつろいでいるときも「やばい」、嬉しいときも...
こうしてみると万能な言葉で便利に使っている面がありますね。闇バイトの出し子のコメントがあります。

「うわべだけの会話だけしてました。喜怒哀楽、考えたことない。丸まる全部『ヤバい』としか(ことばを)出していない。(指示役から)強盗しなさいと言われたら、普通にしていましたし、人を殺せと言われたら殺していましたし。たまに自分が怖くなります」

出し子は大変な思いをして貯めたであろう貯金を被害者の口座からお金をおろす役回りです。例えば自分の母親や祖母が一生懸命貯めた貯金を盗む、ということと同じだ、という思いがよぎれば出来ないはずです。感情リテラシー表現がどれだけ重要なものか、なんとなくじわっと来ますよね。

■少年刑務所からの報告

闇バイトのリクルート役の証言もあります。

「電話したときとかに『最近どう?』『学校大丈夫ですか?』、常にこちら側が聞くに徹する。つらいけど誰にも理解できない、けど自分からは絶対言えない。自分の気持ちを言語化できていない子、すごく感情をコントロールしやすいというか、こちらで言う“いいカモ”。本当におもしろいくらいみんな、親身に相談にのってあげるとホイホイくっついてくるのは、つくづく思いますね。本当にびっくりするくらい、みんなひっかかりますね」

なんでこのような若者が増えてしまっているかというのは、本当に様々な要因があるような気がしますが、少子化とスマホ、SNS等は大きな要素ではないかとも感じます。スマホでゲームやってれば飽きないですよね。たっぷり時間を消費できる。しかしながらしゃべらない結果、語彙が学習できない。そしてSNSなどの発言は相手の顔が見えない。

そんな中、佐賀少年刑務所で出している成果はすごいです。感情を適切な言葉で表すトレーニングを行ったところから再犯率ゼロを達成しているとのこと。体験者の言葉を紹介します。

「『きつい』とか『だるい』とか、そのことばで生活しとったんですよ。だけど今『だるい』の中にも、いろんなことばを使えばもっと感情が伝わるんだなと分かったので、相談しやすくなりました」

「『これヤバいね』って言ったら、確かに相手もよく分からないですけど、『ああ、ヤバいんか』ってなると思うんですよ。でも、それを具体的に説明することで相手からのことばも引き出せますし、対話の中でしっかりと言語化するというのはすごい大事」

イメージ見ると怒りの感情も様々な段階がありますが、それは、そもそもみんながわかっていることのように感じますが犯罪を犯した子は全て「やばい」で片づける。まあ、相手にも伝わらないですよね。このトレーニング、一般企業からのオファーも相次いでいるとか。

■学校からの報告

番組では校内暴力が激減した成果をあげた事例が報告されていました。子供たちは自分が伝える言葉が見つからないと泣いてしまったりするわけですが、それが「物を投げる、人をたたく」という行動に変化するのも当然なんだろう、と思います。

■そして結論


「たかが言葉。されど言葉」。意思が伝わればよい、だけではない決して軽く考えてはいけない問題です。そして自分もまだこの問題は克服できていないように感じます。