POOSNET

管理人のたわごと時々社員Official Blog


2025/01/07

NHKスペシャル 国境の島密着500日 防衛の最前線はいまを見て


NHKスペシャル 国境の島密着500日 防衛の最前線はいまを見て
NHKスペシャル 国境の島密着500日 防衛の最前線はいまを見て

皆様あけましておめでとうございます。年明け早々なんですが若干込み入った投稿です。

実際は昨年でしたが、表題のNHKスペシャルを半ばショックを受けながら観たのでそのレポートを書こうと思います。この記事を理解するには、前提として台湾有事というのがいつ起きてもおかしくない、ということを把握しておく必要があります。

【台湾とはそもそもどこの国?】
台湾と中国の関係は、もともと台湾は中国の領土であったわけですが、日清戦争で敗れた中国は台湾を日本に明け渡しているわけです。で、その時期に台湾は経済的な発展をしっかり遂げて、日本とは友好的な関係を築いたわけです。そんな事情から台湾の方々は概ね親日家です。日本語もかなりの範囲で通じるみたいですね。しかしながら第2次世界大戦で日本が敗れると、台湾島は再び中国の領土に戻っています。そういう流れからすると、史実として台湾は中国の一部ということは言えると思われます。

【中国の内政の問題なのになぜ日本が関与するのか】
それならば中国の国内の問題だろうとみても良いわけですが、ところが中国共産党と台湾の関係は最悪で、まあ、簡単に言うと台湾の人々は中国共産党を毛嫌いしているイメージです。そして現在、日本と台湾はよき経済的パートナーとしての地位を確立しています。

・台湾は日本の輸出先として重要で、2021年の日台間貿易総額は9.7兆円と過去最高を記録しました。
・日本は台湾からの半導体輸入に依存しており、2021年に日本が輸入した半導体の46.7%は台湾製でした。

台湾の世論調査では台湾有事が起きたら「台湾有事には日本の自衛隊が参戦する」と回答した人は43.1 %だとか。(wikipedia)
ちょっと心配なくらいですよね。大丈夫なんでしょうか...そんな信頼されて。
まあ、親日感情も含めてこんな感じ。

・政治家の動き(wikipedeiaからの引用)
2021年7月5日に麻生太郎副総理は、中国が台湾に侵攻した場合、日本政府が安全保障関連法の定める「存立危機事態」に認定して、限定的な集団的自衛権を行使する可能性があるとの認識を示し、「(台湾で)大きな問題が起きると、存立危機事態に関係してくると言って全くおかしくない。そうなると、日米で一緒に台湾の防衛をしなければならない」と述べた。

・2021年7月11日、陝西省宝鶏市の共産党政法委員会が台湾有事の際に日本を核攻撃する動画をインターネットに公開し、日本が台湾有事に首を突っ込んだら、「例外的に」核を使用してもいいと主張している。動画は「台湾解放を目指すわれわれの試みに、日本が武力で介入するなら、たとえ1兵卒、1機の軍用機、1隻の軍艦の派遣であっても、われわれはただそれを撃破するだけでなく、日本に対する全面戦争を開始すべきだ」として、「まず、核爆弾を落とす」「再び無条件降伏するまで、何発でも落とし続ける」、そして、日本の防衛力をたたき、「台湾海峡に兵力を割けなくなるまで」徹底的にたたいて、他国の内政問題に介入したら、どんな目に遭うかを思い知らせ、そのために「日本を核先制不使用の例外とすることで、われわれは日本と世界に警告できる。祖国統一を含め、わが国の内政問題に日本が軍事介入すれば、核が使用され、日本が無条件降伏するまで使用され続けることになる」と主張しており[19]、核攻撃を行うことで、中国は尖閣諸島を日本から取り戻し、沖縄を日本の支配から解放できると述べている。

まあ、ざっと言ってこんな状況なんですよ。陝西省宝鶏市の共産党政法委員会の話は、特に中国の公式発言ではないですが、内政に首を突っ込むな、という態度は中国政府の公式見解そのものです。

さて、前提の確認が長すぎましたが、NHKスペシャルの内容に戻ります。
私自身は当然戦後に生まれて、戦争の悲惨さの教育は受けて、日本は永久に戦争を放棄した、という教育の元で育ってまいりました。しかしながら写真のように沖縄の与那国島は台湾とごく近いんですよ。何か起きたら、まあ巻き込まれることは間違いないと感じます。
もともと陸続きのヨーロッパでは、ウクライナ情勢から、「戦争を生き延びる」ためという小冊子を配ったり準備は進めているようですが、国境の島、与那国島はまさにその段階にはいりつつあるようです。

実はヨーロッパと同じことを与那国島では準備しているんです。自治体単位で説明会が開かれたりしてるんですよ。
それによると全島民(1700名)の避難を計画しているみたいですね。でも「なんで逃げなきゃいけない」と頑張ってる人々も勢力としてあるらしく。その議論の様子が生々しい。

住民「戦争だよね?戦争を前提にしてこの話をしている?違う?」
町役場職員「まさに武力攻撃が予測される事態が起きた場合にという」

住民「その前に逃げなさいと言っている?」
町役場職員「その場合を想定して」

住民「なぜ与那国にいる人が島外に行かないといけないのか。与那国で避難できるような設備、シェルターを作ればいい」
町役場職員「昔、ガマ(洞窟)に避難したという話を聞いていたので、何か所か与那国に(洞窟が)あるというのは、国の方にも実際見てもらっています」

住民「有事の際に、いつ弾が飛んでくるということを、皆さん分かってこの説明会をやっているんですか?弾はいつ飛んでくるか分からないですよ」
住民「先ほどの説明だと電気はなくなる、通信はなくなる、水道はあるけどガスもある分だけ、みたいな話になると、これ私たちは選択肢があるんですか?」
政府の担当職員「(避難は)義務にはなるんですけど、罰則がない。それを踏まえて、ご判断いただければと思う」

与那国の人たちはまさに、そこにいるということだけで巻き込まれるわけですね。恐ろしい。戦争って20世紀で懲りたはずではなかったんだろうか...